はじめに

ギターリペアとの出会い

ギター工房SoundRiver

初めてのギターリペアとの出会いは、神戸のとあるリペア工房に長年使い込んできたPearlを依頼したことに始まります。

Pearlは知る人ぞ知る林ギター製作所製のjapan-vintage。

オール合板とは言え、中学生の頃から30年以上使い込んだギター。

ギターのリペア

 

もっと鳴るはず・・・。
何だかこもった音をクリアにしたい・・・。
弦高をもう少し下げたい・・・。

ナットとサドルをTUSQ化し、フレットのすり合わせだけの依頼をしました。リペア工房から返ってきた時、もともとポテンシャルのあったギターだったのでしょうが、音に奥行きと伸びが出て生まれ変わっていました。

弦高も下がり格段に向上したプレイアビリティ。そのポテンシャルを引き出した”リペア”との出会いが私をギターリペアの 世界にのめり込ませるきっかけになったのでした。

リペアとは・・・

もともとリペア(repair)の語意は修理、修復、回復であり、傷みや不具合を元の状態に戻すことにあります。

楽器のリペアについても同様に、経年の使用によって自然に、あるいは不注意による変形や傷、劣化・・・こうしたものを元の状態に戻し、それぞれの楽器が本来持っている機能を最大限発揮できるようにすることがその目的になるのでしょう。

しかし、本来の機能が発揮できるようにすることに加えて、ホンの少し手を加えることで、例えば、ナットやサドルの素材を変えることであったり、意図的にネックコンディションを順反り気味にしてやったり・・・こんなことで音質が変わったり、演奏性が格段に高まったりします。

当工房では、お客様のご希望を第一に考えながら、さらに納得、満足いただける結果をご提供できるよう、様々なご提案をしていきたいと考えています。

単純に修理し修復し現状回復させるだけでなく、今まで以上にそれぞれのギターが持つポテンシャルを引き出すことを念頭に作業させていただきたいと考えますし、それがギターリペアであると考えています。

そのため、お客様との充分なコミュニケーション、インフォームドコンセント、こうしたことを大切にしていきたいと思っています。

こんなギター、扱ってくれるの?

 

アコースティックギターのリペアの模様

この仕事を始めてから、お問い合わせをいただく方や私の友人や知人などからこの言葉をよく聞きます。

こんなギターなんだけど、扱ってくれるの?見てくれるの?

 

この場合の”こんな”とは、お察しのとおり安価で長年押入れでホコリをかぶって放ったらかしになっていたような可哀想なギターを指すことが多いです。

楽器店に持ち込んで見てもらうのも気が引けるし、ましてやリペア専門の工房なんてこんなギター見てくれなんておこがましい・・・ こんな風に思われる方が とても多いように思います。

前述のとおり、それぞれのギターが持つポテンシャルを最大限引き出し、発揮させてやることがギターリペアであると考える私にしてみると、”こんな”ギターも”あんな”ギターもない訳です。もちろん価格の問題でもなく、そのギターを良い状態で弾きたいと思うユーザー様の思い入れの深さの度合いなんだと思います。

長年押入れでホコリをかぶって放ったらかしにしていたことは素直に反省しましょう(笑) そして、もう一度ちゃんと弾いてみたい、ちゃんとした音が出るようにしてやりたい、でも自分の手には負えそうにないって思えばどうぞご遠慮なく当工房までご連絡ください。

結構、”こんな”ギターを復活させて心地よく鳴るようにするのって好きなんです。 価格ではなくユーザー様の思い入れと向き合ってギターを扱わせていただきます。

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